息子の入学式

息子が小学校に入学した。いよいよ小学生である。

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これから始まるという期待感と絶望の不安感で万感たる想い。これから彼にはどのような未来があるのだろうと思い、自分の過去と重ね合わせると胸が一杯になる。



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私の小学校時代を振り返ると、まさに激動であったように思う。一年生から六年生まで息詰まった毎日だった。どの場面もハッキリと覚えている。特に母には迷惑をかけた。よくあの不安定な状況をともに生き抜いたと思う。

見知らぬ学校なのに、校舎をながめると涙が出てくる。

あの苦しみは一体なんだったのだろう。一日一日が重たく、辛かった。僕は精一杯頑張っていたが、空回りの日々。カッターシャツのボタンは弾け飛び、悔し涙をながしながら畦道の帰路を激走した。あの長い長い一年間。教室ではいつも正座して、漢字を書いていた。ひとり子供部屋でスンスン泣いていた。何度も家出しようと思ったし、家出を繰り返していた。水泳でもラグビー少年団でもパソコン教室でもいつも一人だった。社会と私をひもづけているのは母ひとりだけだったように思う。私のアイデンティティは小さい頃からあまり変わっていないし、三歳くらいからの自己意識と大して違わない。むしろ小学生の出来事が今の自分を決定づけている。今、思い返してみると、あの時代の家族の負の部分を全て背負っていたように思える。



思い出しても思い出しても辛い事しか思い出せない。

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息子にはそんな辛い思いはしてほしくないと思っている。だがほぼ確実にいつか困難な日々がくる。泣いてもいい。男だからって関係なく泣いてもいいんだ。粘り強く、自分の誘惑にまけず、誠実に日々を過ごして欲しいと思う。僕に出来ることは、毎日を確実にたゆまなく共に生きる事だと思っている。

校長先生は2つお願いがあるといっていた。ひとつは勉強すること。もうひとつは友達と仲良くすること。

僕は勉強しかしていなかったんだな、と思った。

息子は早速となりの友達に四六時中語りかけていた。幸先はよさそうだ。となりの子、ごめん。嫌がられないといいのだけれど…。

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卒業式と入学式に桜を咲かせるようにした日本の学校制度は素晴らしい。よかったことも、わるかったこともこの学校でのサクラをみると、清々しい思い出だと思える。


最後に僕の本質と、未来の息子を占う意味をこめて、僕の小学校1年生の時の通信簿を転記する。これを読むと先生の眼力なのか、僕の進歩のなさにいつも笑ってしまう。

「行動の様子」先生のコメント

機転がよくきき、その場その場ですることを心得ているようです。そのため係活動や集団行動などにおいて、友達をリードしていくことができます。しかし自分にやる気がなかったり、学習用具が足りなかったりすると、何も手をつけないことがあります。そんな時は他に時間をとっても最後まで仕上げるよう指導しています。

係活動においては自分で仕事を考え、教師の指示がなくても先へ先へ進めることができます。何事にも楽しそうに活動し、意見を活発に述べていました。しかし時々、一学期よりは減ったものの気分で行動することがあるのが残念です。

とても明るくニコニコした様子は周りを楽しくしてくれます。しかし友達に注意されたり、気に入らないことがあったりするとカッとなることがあります。気持ちはよくわかるのですが、わがままを言わず我慢することも必要です。

清掃のときは愉快な人気者で班の中を楽しい雰囲気にしてくれました。上級生にも「ここはこんなふうにしたら」という意見が言えました。ていさつ係として切れの良い活動をしていました。

「学習のようす」先生のコメント

読解力が優れ、教師の助けがなくとも問題を自力で解くことができます。またいろいろな場面で感性あふれる良い意見を出します。自分の意見を発表する大切さを知ってより熱心に授業に取り組んでいきましょう。

基礎学力応用力ともに信頼できます。発表意欲も出てきました。自分の考えを自分の言葉で言えます。今後はいつでもむらなく努力出来る姿勢をつくっていきましょう。

どの教科でも学力が安定してきました。図工ではクロッキーがとても上手です。線が生き生きしてきました。また国語や道徳の際の劇化の活動も感情をこめてできます。友達の目を気にしてあまりやりたがらなくなったのが残念です。