下流社会ブームとドラゴン桜メソッド

デブオタの「300万円を生き抜く何某〜」から始まって、負け組・勝ち組‥ときて、次の言い方が「下流社会」らしい。

というわけで、「下流社会 新たな階層集団の出現 光文社新書 三浦 展 (著)」を読んでみた。内容はなかなか読みづらい。しかしこれは新しい切り口でいいなと思うところもいくらか。

読みすすめていると、なぜか「ドラゴン桜」を紹介しているコラムあり。

社会が階層化、二極化、下流化の流れにあるからこそ、その流れに逆らう上昇意欲に満ちた表現に新鮮味が感じられることがある。「ドラゴン桜」がその良い例だ。(中略)主人公、桜木が発する人生訓が、現在の混迷とした教育界や社会全体に蔓延している価値観への挑戦状とも受け取れてすがすがしい。たとえば次のようなセリフ。

「社会のルールってやつはすべて頭のいい奴が作っている。そのルーは頭のいいやつに都合のいいように作られているんだ。逆に都合の悪いところはわからないように隠してある。つまりお前らみたいに頭使わずに面倒くさがってると‥一生だまされて高い金払わされるんだ。だまされたくなかったら、損して負けたくなかったら、お前ら、勉強しろ」
「お前らガキは社会について何も知らないからだ。知らないというよりは大人は教えないんだ。そのかわり、未知の無限の可能性なんて、なんの根拠もない無責任な妄想を植えつけてんだ。そんなものに踊らされて、個性生かして、人と違う人生送れるとおもったら大間違いだ!」
「型がなくてお前らに何ができるっていうんだ。素のままの自分からオリジナルが生み出せるとおもったら大間違いだ!型にはめるな!なんてホザくやつはただのグータラの怠け者だ!」
「ナンバーワンにならなくていい。オンリーワンになれだぁ?ふざけるな。オンリーワンってのはその分野のナンバーワンのことだろうが。」

ドラゴン桜の面白さは、社会にある不平等を、自由、個性、オンリーワンなどという言葉で隠している大人の欺瞞を暴き、子供たちに社会の真実をしらしめ、だからこそあきらめずに努力しろと主張するところにある。

光文社新書からドラゴン桜が出てくるとは思わなかった。
ドラゴン桜、読んでみよう。