11月の読書まとめ

2010年11月の読書メーター
11月読書メーター
読んだ本の数:7冊・読んだページ数:1237ページ

今月も低迷ぎみ。まあ気負いせずに読めたのでこのくらいでいいかも。

【本棚入り】
★★★(人に勧めたい)
少女素数 (2) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)
凡人として生きるということ (幻冬舎新書)

★★☆(もう一度読みたい)
HR ~ほーむ・るーむ~ (2) (まんがタイムKRコミックス)

★☆☆(読んで損はない)
日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率 (講談社プラスアルファ新書)


【感想】

一瞬で伝える「わかりやすさ」の技術一瞬で伝える「わかりやすさ」の技術
齋藤 孝

大和書房 2010-05-28
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文章の読み方書き方本。日本人の特性について触れ、場を読み場の力を自分のものにする術について書かれている。読み方について速読法でも触れていた分類方法を使い徹底的に情報の取捨選択を行い、アウトプットのノウハウについても触れている。いわゆるいつもの「斎藤メソッド」だが、場を変えて書いているので応用が効く。高校の現代国語の先生がこんな人ならよかった…。

引用メモ:マナーとは共通基盤としての「場」の提供だ。日本人は「私達は共通の場に居るのだから一人で勝手な事をしないでもらいたい」という意識が強い。電車内での携帯電話に不快感を示すのは日本人だけらしい。その実は協調する事ではなく同質化である。「場」の力学を意識している結果と言える。似通ったものを分類すると、平面から立体的に事象が見えるようになり得をした気分になれるし対象をより強く意識するようになる。人にものを伝えようとする時このツールを使わない手はない。

読了日:11月04日 著者:齋藤 孝


決断力 (角川oneテーマ21)決断力 (角川oneテーマ21)
羽生 善治

角川書店 2005-07
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間を開けて読んだのであまり頭に入ってこなかった。さっと読むのに適した本だったのかもしれない。具体的と言うよりは抽象的で感覚的な文章が多かったように思う。論理を束ねている理性は意外と抽象的なものなのかもしれないと感じた。あるいは将棋の棋譜の世界を一般化して表現したからかもしれない。なんにせよ取っつきやすく見えて難しい本だったように思う。天才の本質はそう簡単には触れないのだろう。
読了日:11月05日 著者:羽生 善治


日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率 (講談社プラスアルファ新書)
日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率 (講談社プラスアルファ新書)浅川 芳裕

講談社 2010-02-19
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農水省dis本。かなり人気で図書館で借りるのに時間がかかった。自給率喚起は役所利権のための洗脳でありその施策は農家を益々弱体化させる。農水省の汚いやり方を赤裸裸に語っている。表現が若干扇動的であるので読み辛いところもあるが、概して納得できる内容。PTT参加意義について見識を得たい場合に適切な本。
読了日:11月10日 著者:浅川 芳裕


凡人として生きるということ (幻冬舎新書)凡人として生きるということ (幻冬舎新書)
押井 守

幻冬舎 2008-07
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押井守哲学本。非常に具体的なところから組み立てていくので理屈人間にとっては大変読みやすく、理解しやすい。デマゴギーに溢れているという洗脳の常套句から始まり、ほどよい中庸的な視点から物事を観るように勧める。オタク、コミュニケーション、セックス、勝負、自由、オヤジと若者。最後に格差。見事な構成ですんなり読める。即効で洗脳されるので気を張り過ぎてるときに読む本。

引用メモ:よろしい。確かに俺はふられた。だが、その結果はオレ自身の世間的な評価とは全く関係ない。反省すべき点はあったかもしれないが、それとて決定的な原因だったかどうかは明らかではない。ひょっとしたら相手の女の子さえ、どうしてオレではダメなのか説明できないかもしれない。クラスの女の子に「お茶しに行こう」とは言えなかったが「ベトナムについてどう思う?」と話しかける事はできた。要するに話す理由もテーマもないのに誰かと面と向かって過ごすのが苦痛だっただけだ。価値観を共有できない人間と一緒に過ごす時間には耐えられなかったのである。煉獄への道は善意で舗装されている 「かけっこでいつもビリの子は可哀想」 民族を均質化し優生思想を先鋭化させた組織、ナチス、クメールルージュ。ナチスは健康のためにと禁煙を奨励した。「格差論の根底にあるのは、人間の嫉妬である」ということだ。巷で盛んに議論されている格差への警鐘を通して透けて見えるのは根元的でプリミティブな妬みの心なのである。そして妬みほど強力な感情はない。KYの様に若者言葉を面白がって報道したり模倣したりしている場合ではないのである。ある現実を言い当てるときに表現に豊かな内実を持たせてそれを社会に再び転化する様な力を持つ「言葉」を生み出すことが本来、文化的な仕事なのだ

読了日:11月15日 著者:押井 守


少女素数 (2) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)
少女素数 (2) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)長月 みそか

芳文社 2010-11-12
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1巻に続き期待を裏切らない素晴らしい出来。喜怒哀楽編で中学生活にフォーカスした内容。恥ずかしがるということはとても大事なことなのだと気付かされる。
読了日:11月22日 著者:長月 みそか


Kiss×sis(7) (KCデラックス)Kiss×sis(7) (KCデラックス)
ぢたま 某

講談社 2010-11-22
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そろそろネタ切れ感アリ。今回から非限定版を購入。絵は文句なしにうまい。心情の機微編に期待したいところ。
読了日:11月30日 著者:ぢたま 某


HR ~ほーむ・るーむ~ (2) (まんがタイムKRコミックス)
HR ~ほーむ・るーむ~ (2) (まんがタイムKRコミックス)長月 みそか

芳文社 2008-04-26
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中学生生活後編。「あーもう」とかつぶやきながらゴロゴロして読む。ヴァーチャル中学生生活可能。男子のなんも考えてない感じがまたなんともいい。たった2巻で勉強じゃない部分の中学生活が脳内で出来る素晴らしい本。「少女素数」のベースプラットホーム。本当にホームルーム感。
読了日:11月30日 著者:長月 みそか