遊び

最近通勤の電車内で密かにやっている遊びがある。マイブームというやつだ。

ルールは極めて単純だ。周りで世間話や会社の話をしているひとの話を顔を見ずにうつむき加減で話の内容をよく聞いて、その会話のイメージを広げてひたすら僕の想像で顔を作り上げていくという遊びである。

あーでもないこーでもない、マンガのあのキャラに近い、美人だ不細工だ、ハゲだロンゲだ、30,40くらい?…妄想に妄想を膨らませ造形を重ねる。

このところの地道な研究で、ここで決してしてはいけない定石を得た。美形を思い浮かべてはならないのだ。これはかなりの確率で自分の見識や世間への期待の甘さを痛感し、失望することになるのだ。それはそれで悟るものがあっていいかもしれない。しかしこれはイカサマのない真剣勝負のゲームなのだ。無駄銭は投げられない。

考えに考え抜いた末、答えを開く。もちろんもういいかげん下を見るのには疲れて上放たれた空間に浮かぶ広告を見るふりだ。今だ。残念。もう一回。