お父さん界隈で話題のムシキング

このブログをお読みの方々にご存知の方がいらっしゃるかどうか、疑問なのだが、休日にイトーヨーカドーに行くと、ムシキングというゲームに列をなしている幼年・小学生をよくみる。とにかく凄い人気なのだ。

ムシキングがどういう遊びなのか詳しくは知らないのだが、どのへんが少年達の心をわしづかみにしているのかは興味の沸くところである。そんな折、こんな記事をみつけた。

『ムシキング大ずかん』のほとばしる愛を読み解く | Excite エキサイト : ニュース

ムシの紹介文が実に細やかで、愛に満ち溢れているのだ。愛だ!

たとえば、ノコギリクワガタの「ノコギリのような大アゴがかっこいい、おなじみのクワガタムシ。気があらくけんかがすきだ。かなしいことに じゅみょうがみじかい」という文。短い中にも、人生の悲哀が描かれている。大げさにあおるのではなく、淡々とした表現が、かえって隠しきれない愛を浮かび上がらせ、胸をしめつける感じである。また、タイゴホンヅノカブトの「おとなしいのでけんかはすくない。ゴホンヅノカブトのなかまにしては からだのいろがじみである」には、どこか肩透かしな歯がゆい気持ちが感じられるではないか。

他にも、アクティオンゾウカブトの「そのはく力に ジャングルのサルもさけてとおるという」(ジャングルのサル? 何かのことわざか?)、タランドゥスツヤクワガタの「とても気があらく、おこるとブルブルとからだをふるわせる」とか、まるで親しい誰かをからかうような表現。さらに、ノコギリタテヅノカブトの「こうぶつの竹につかまりやすいように、まえ足がとくにながい」なんてのを見ると、つい竹をあげたくなってしまうではないか。これって母性本能…?
 
こんな愛たっぷりの本を作っている人たちは、さぞかし虫好きなのではないか。担当する小学1年生の編集部に問い合わせてみた。

「甲虫なので特徴は出にくいですが、セガアーケードゲームの協力もいただき、虫紹介のコメントに関しても、一つ一つ手を抜かず、性格、特徴など、協議して作っております。もともとスタッフは、虫好きな人が集まっているんですよ。写真提供でも『むし社』さんとか、担当者よりよっぽど詳しい人ばかりですし」

やはり担当者の思い入れたっぷりの文章だったのだ!


少年達は、無意識に夢中を探すのだろう。
夢中ということは愛情を何かに一極集中で注ぐ事で、その愛情の対象となるべくものは、やはり大人も本気でとりかかったものでないと子供も呼応してくれないのだなぁと思った。

自分が子供のころに夢中になったものをふと思い返してみたが、あれ、大人が本気でとりかかってないものにも興味を持っていた気がするなぁ。

子供の夢中ワールドは結局よくわからないのだった。