鼓の家

土曜日に放送されたNHKスペシャルである。

久々にグッとキたNHKスペシャルであった。今夜再放送されるので機会があるかたは是非。
概要はNHKスペシャルサイトより下記に引用した。

家族5人全員が鼓を打つ一家がある。父・亀井忠雄さんは、能楽葛野(かどの)流大鼓方。母・令子さんは、歌舞伎囃子田中流家元の芸を継ぐ田中佐太郎。3人の息子たちは幼少の頃から父と母に鼓の技と心を教え込まれ、長男・広忠さんは能楽の大鼓方として、次男・孝之さんと三男・雄三さんは歌舞伎の囃子方として活躍中である。
 この「鼓の家」には10畳ほどの板の間があり、終日、鼓の音が絶えない。人間国宝として至芸を追求する父の稽古。主婦として一家を切り盛りしながら芸を磨く母の稽古。そしてそれぞれの道で精進を続ける息子たちの稽古。時には父と息子が、母と息子が、夫と妻が鼓を挟んで厳しく対峙する。そこには、鼓を打つことによって深まってゆく家族の絆がある。親が子供と真剣に向き合う子育てがあり、老い、やがてこの世を去ってゆく親を子供たちがあたたかく見守る情景がある。
 この番組は、38年前、亀井令子さんが高校生の時、父親から芸を引き継ぐ姿を記録した『ある人生・親子鼓』(昭和42年放送)、母となった令子さんが息子たちを鍛える『ドキュメンタリー・三代の鼓』(昭和57年放送)の映像をまじえ、時空を超えて伝えられてゆく伝統芸能の技と精神、そして家族のあり方を描くドキュメンタリーである。

映像をみていると、はっとした。
インタビュー、独特の編集、相田 洋(あいだ ゆたか)氏の仕事のようだ。
僕はこの相田氏の手がけるドキュメンタリー番組がNHKスペシャルで一番好きだ。わかりやすく奥の深いテーマを噛み砕いてくれる。ドキュメンタリーで感動させる彼のしつらえは、僕の価値観を大きく変えた。かくありたい。

05/01/12 追記
インターネットとはすばらしい。
相田氏を深く知る人が簡単にみつかるのだから。

天漢日乗
Nスペ 鼓の家 相田洋構成・編集 NHK総合

近来稀な「見せるNスペ」だと思ったら、なんと相田洋の制作。相田洋といえば、1964年放映開始の「ある人生」からずっと制作し続けていたNHKの看板ディレクター。現在はNHK本体は退職している大ベテランだ。

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ああ、ブログやっててよかった。